【J1採点&寸評】G大阪5-0札幌|今季最多得点の大勝劇!3ゴールに絡んだアデミウソンを最高評価!

G大阪――ダービー惨敗の悔しさを晴らす意志を全体で共有
[J1リーグ28節]G大阪5-0札幌/10月4日/パナソニックスタジアム吹田

【チーム採点・寸評】
G大阪 6.5
大阪ダービーで惨敗した悔しさを晴らそうという意思がチーム全体から見て取れた。今季最多の5得点を挙げ、守備も大崩れしなかった。最後まで攻め切る姿勢を見せたのも評価したい。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 6
空中戦で3失点した前節の反省を受け、セットプレーなどでは意識して前に出ていた。目立ったミスはなく、足元のボールも慌てずにしっかりとつないだ。

DF
5 三浦弦太 6
キックミスは減点材料だが、守備に関しては出足がよく、ジェイや鈴木らにボールが入ると積極的に潰しにかかり、起点を作らせなかった。相手の攻撃に脅威がなかったとはいえ、安定していた。

19 キム・ヨングォン 6
前半、ジェイにあっさりとかわされ、止むを得ず警告覚悟でストップ。このプレー以外は大きなミスもなく、危険地帯でしっかりと競り勝ち、三浦とともに最終ラインを引き締めた。

27 髙尾 瑠 6
前半にアデミウソンの決定機を演出するパスを出すなど、攻撃にも貢献。最近は右SBで相手に狙い撃ちされている感もあったが、3バックの一角ではウィングバックの小野瀬と好連携を見せ、無難に乗り切った。

MF
8 小野瀬康介 6.5
やはり攻守両面で効いている。右サイドでチャンスを作りながらも、守備時には献身的に身体を張り、サイドの崩壊を許さず。アデミウソンの得点の場面では精度の高いクロスを供給した。

10 倉田 秋 7
試合が拮抗していた時間帯に、貴重な先制点をもたらし、チームを勢いづけた。ダービーで負けた悔しさを一番感じていた選手なだけに、ハードワークを怠らず、質の高さも伴っていた。

15 井手口陽介 6
復帰直後には、インサイドハーフの役割をこなしきれなかったが、この日は正確なポジショニングを維持し、前半も危ない場面で身体を張りシュートブロック。終盤になっても運動量が落ちなかった。

G大阪――試合を決定づけるアデミウソンのヘディングシュートは見事
MF
21 矢島慎也 6
派手さはないが、アンカーのポジションで的確にバランスを保ち続けた。ビルドアップもクレバーさを見せ、攻撃の起点となってリズムをつけた。あまり高い位置には進出しなかったが、黒子として攻守に貢献。

34 福田湧矢 6(76分OUT)
序盤は、白井の突破に手を焼き、苦しい対応を強いられていた。後半はやや仕掛ける場面も増えたが、いつもよりも攻めのキレを欠く。ただ、勝利への執念を見せた点は評価。

FW
MAN OF THE MATCH
9 アデミウソン 7(72分OUT)
前半に自らで得たPKは失敗したが、その後も攻撃を牽引。絶妙なクロスで倉田の先制点をお膳立てしただけでなく、2点目にも絡む。試合を決定づけたヘディングシュートも見事だった。

33 宇佐美貴史 6.5(83分OUT)
前半は仕掛けられる場面でもやや消極的だったが、得点シーンではうまく連携に絡み、ゴール前に進出。宇佐美らしいシュートをネットに突き刺し、貴重な2点目をもたらした。
交代出場
FW
18 パトリック 6(72分IN)
完全に試合をクローズする流れで投入されたが、やや試合の入りに戸惑った感もあった。シュートは打てなかったものの、5点目のシーンでは起点となり、チームのために役割を遂行した。

DF
4 藤春廣輝 ―(76分IN)
福田の負傷により、急遽ピッチに立った。札幌の勢いが完全に失われている時間帯だっただけに守備に追われる場面は少なく、攻撃時には積極的に前方へ。右足で4点目を決め、自身の200試合出場に華を添えた。

FW
39 渡邉千真 ―(83分IN)
最後のカードとして投入。残り時間はわずかだったが、常にゴールを狙う姿勢を見せただけでなく、身体もきれていた。アディショナルタイムには狙いすました一撃を突き刺し、ゴールラッシュを完結させた。

監督
宮本恒靖 6.5
3バックへの回帰を決断し、矢島のアンカー起用などを含めて、適材適所に選手を配置した。交代のカードも強気で、最後まで攻め込む姿勢を強調。ルヴァンカップの前哨戦を勝ち切った。

札幌――守備で軽率なプレーが露見し大敗
【チーム採点・寸評】
札幌 4.5
試合直前にチャナティップが負傷し、先発から外れるアクシデントは不運だったが、攻撃は低調でほぼ決定機を作れず。5失点は決して最終ラインだけの問題でなく、攻守において低調だった。

【札幌|採点・寸評】
GK
25 ク・ソンユン 5
前半のPKは最後まで動かず、アデミウソンのキックミスを誘発。5失点を喫したものの、GKを責めるような失点はなかった。しかし、集中の切れた守備陣にもっと喝を入れても良かった。

DF
3 進藤亮佑 4.5
先制点の場面ではあっさりとアデミウソンにクロスを許しただけでなく、致命的な3失点目もアデミウソンに完全に競り負けた。局面の対応の甘さが失点につながった。

20 キム・ミンテ 4.5
前半は危険地帯を懸命にケアし、ほころびを無くしていた。倉田に許した先制点の場面は、もう少し適切に対応すれば防げたはず。宇佐美のゴールに関しても、あっさりとゴール前に侵入を許した。

5 福森晃斗 4.5
繋ごうという意識はありながらも、判断ミスでビルドアップのリズム崩す。藤春の得点も防ぎ切れなかったばかりか、5失点目はあまりにもあっさりと渡邉にシュートを許してしまった。

MF
19 白井康介 5.5
立ち上がりから積極的な仕掛けでサイドから押し込むが、最後の質を欠き、決定機を作り出すことができなかった。守勢に回った後半は軽さも目立ち、自身のサイドを崩される場面もちらほら。

10 宮澤裕樹 5(HT OUT)
PK献上も軽率なプレーだったが、中盤の底で本来の良さを出し切れず、低調なプレーが目立った。ただ、リズムの出ないチームを牽引すべく、懸命に戦っていたのも事実だった。

8 深井一希 5
攻撃では目立った良さが出なかったが、前半は気の利いたプレーで幅広く動いた。宮澤が退いた後半は負担が増し、中盤のフィルターとしての強度が明らかに低下。潰しきれない場面もあった。

札幌――鈴木はフル出場でシュート0本
MF
4 菅 大輝 5(67分OUT)
攻撃で高い位置まで持ち込めてもプレー精度が低く、効果が少なかった。PK献上につながるロストもあったが、福森のケアを含めて、守備では献身的な動きを見せていた。

9 鈴木武蔵 4.5
前線で身体を張ろうという意識はあったが、相手の激しいチェックに効果的なプレーを出せず、怖さを欠いた。フル出場しながらもFWでシュートゼロはやはり厳しく採点せざるを得ない。

27 荒野拓馬 5
チャナティップがアップの際に負傷したため、急遽先発に。シャドーの位置は明らかにやりにくそうで、引いてボールを受けるが効果的な攻めにならず。ボランチに下がった後半は、守備で軽さがあった。

FW
48 ジェイ 5(62分OUT)
最前線ではなくサイドでプレーした。身体の強さを生かして、ためを作ったり、キム・ヨングォンをかわしたりと要所で力を見せたが、相手ゴール前でプレーしてこそのジェイ。シュートゼロは彼の責任だけではない。
交代出場
FW
11 アンデルソン・ロペス 5(HT IN)
ギアを上げるべく投入され、最初は攻撃で縦への推進力を生む。鋭い動きで高尾のイエローカードを誘発するも、周囲とかみ合わず徐々に埋没。シュートもわずか1本止まりだった。

MF
7 ルーカス・フェルナンデス 4.5(62分IN)
2点を追う展開で起用されたが、投入直後こそ何度かボールに触れたものの、劣勢の展開で試合に入りきれずミスが目立つ。3失点目を喫してからは完全に相手の勢いに飲まれ、存在感がなかった。

MF
23 中野嘉大 4.5(67分IN)
攻撃を活性化すべく投入されたが、ボールがいい形で受けられずに、苦しいプレーを強いられた。アデミウソンに奪われた失点は、対面した小野瀬に寄せきれず、あっさりとクロスを上げさせたことが原因。

監督
ペトロヴィッチ 4
キックオフ直前にチャナティップを負傷で欠いたのは気の毒だったが、荒野のシャドー起用や前線の配置に疑問も。選手交代が裏目に出続けた感もあり、苦しい流れを修正できなかった。

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