「最も難しい決断だった」“残留の切り札”スサエタがG大阪入りの理由、日本での生活を明かす!【単独インタビュー】
日本行きが決まった後、イニエスタからメールが
J1残留争いを強いられているガンバ大阪が、いわば切り札として獲得したのがマルケル・スサエタだ。
スペインの名門アスレティック・ビルバオでクラブ歴代5位となる公式戦507試合に出場した元スペイン代表MFは、まだ31歳。欧州の第一線で活躍するだけの力がありながら、なぜ遠い異国の地での挑戦を選んだのか――。
『サッカーダイジェスト』の単独インタビューで、Jリーグ入りを決断した理由や、新天地での1か月を語ってくれた。
インタビュー全文は、10月10日(木)発売の『サッカーダイジェスト』に掲載予定だが、ウェブ版としてその一部を先行してお届けする。
――私も一度ビルバオを訪れましたが、素晴らしい街でした。離れるという選択に迷いはなかった?
「これまでのキャリアの中で、最も難しい決断だったのは間違いありません。ただ、いくつかオファーがあったなかで、ガンバを選ぶのに迷いはありませんでした」
――アルレティック・ビルバオから契約延長の打診があったというのは、事実ですか?
「更新の話はたしかにありました。断った理由はいくつかありますが、恩のあるクラブに誤解を与えたくないので、ここで話すのはやめておきましょう。離れると決めた以上、それはもう過去のことですから」
――日本でプレーしようと思った理由は?
「まずいろいろと情報を仕入れていくなかで、Jリーグのレベルが高いという意見が多かったのがひとつです。文化や食事などの面でも、日本は魅力的でした」
――日本でプレーしているスペイン人選手に相談はした?
「直接は話しませんでしたが、第三者を通じて情報は入ってきました。みんなレベルが高いと言っていたので、プレーしてみたいと」
――(アンドレス・)イニエスタ選手も一足先にヴィッセル神戸でプレーしています。
「彼とはスペイン代表で一緒にプレーしたので、日本に来ることが決まった時、『ようこそ』とメールをくれました。世界のトップ中のトップの選手ですし、スペインでは歴史に名を残すベストプレーヤーのひとりです」
――日本で会う機会はありましたか?
「まだないですね」
「日本食」が移籍を後押し?
――日本の住み心地はどうですか?
「大阪に来て1か月、家族が来て1週間が経ちましたが、ここまでは何の問題もないですし、ポジティブなことばかりです」
――オフにどこかに出掛けましたか?
「家族を連れて、大阪城とユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行きました。近くの公園で遊んだりもしましたよ」
――バスク地方は「美食」で有名ですが、日本の食事はどうですか?
「実は日本食には目がなくて、向こうでも週に1回は食べていました。日本に来るのを決めた理由のひとつでもあります(笑)。だから、毎日楽しんでますよ。寿司、ラーメン……最近ではカツ丼がお気に入りです。まぁ、バスク料理が世界一なのは間違いないですけど(笑)」
――日本には、スサエタ選手がどんなプレーヤーなのか知らないファンもいます。いちばんの武器を教えてください。
「あれが得意、これが得意と言って、次の試合で上手くいかないとまずいからやめておきます(笑)。断言できるのは、これまでビルバオで培ってきた経験を活かして、ひとつでも順位を上げるために、試合でも練習でも全力を尽くす。それだけです」
――早速セットプレーのキッカーを務めていますが、プレースキックに自信は?
「ビルバオ時代にも担当してきましたからね。ただ、宮本(恒靖)監督に蹴れと言われれば蹴るし、こぼれ球を狙えと言われれば、そこにいる。指示に従うだけです」
――その宮本監督からは、どんな点を期待されていますか?
「ビルバオでの経験を活かしてほしい、と言われています。あとは、コーチングスタッフが対戦相手を研究して、指示を出してくれるので、それをピッチ上で見せるだけです」
――ビルバオ時代の経験も踏まえて、残留争いで最も重要なことは?
「ガンバが厳しい状況なのは、みんなが分かっています。戦術面の修正点は監督やコーチが洗い出してくれる。だから選手は、練習から100パーセントの力を出して、一致団結して試合に臨む、隣にいる仲間のために全力で戦う。それしかないと思います」
――最後に、残りのシーズンに向けて抱負をお願いします。
「僕自身の調子も上がってきていますし、チーム状態も決して悪くありません。これからどんどん勝点を積み重ねていきます。ルヴァンカップも残っているので(準決勝で札幌と対戦)、決勝まで勝ち上がれるように、みんなで全力を尽くします」
――グラシアス!
「ドウイタシマシテ」