G大阪パトリック、募る日本代表への思い 森保ジャパンの“秘密兵器”へ「諦めていない」

ブラジル人FWは16年から国籍変更を検討 日本語を猛勉強中
今夏、サンフレッチェ広島からガンバ大阪へブラジル人FWパトリックが期限付き移籍で復帰した。復帰戦となった2日の第21節ヴィッセル神戸戦(2-2)では即ゴール。1-0の後半8分、“相棒”の日本代表FW宇佐美貴史が起点となり、MF倉田秋がつないで、最後にパトリックがDFをかわして冷静にゴールネットを揺らした。古巣で魅せた変わらぬ存在感。Jリーグでゴールを生む先にある「日本代表への夢」についてパトリックが語った。

パトリックは2013年に母国ブラジルのアトレチコ・ゴイアニエンセから川崎フロンターレ期限付き移籍し、初来日。ヴァンフォーレ甲府を経て、ブラジルへ1度戻り、2014年夏にG大阪へ加入した。パトリックが加入後、降格圏の16位に低迷していたチームは、第15節ヴァンフォーレ甲府戦(2-0)から15勝3分2敗と“奇跡”のV字回復を見せ、勝ち点48を積み上げた。20試合で9点をマークし、宇佐美との名コンビで三冠へと導いた。

16年10月には、右前十字靭帯損傷及び右外側半月板損傷により全治8カ月の大怪我を負い、母国で手術を受けた。クラブは功労者に対して、同年限りだった期限付き移籍の契約期間を17年夏までに延長。17年6月に退団し、広島へ渡った。18年には33試合20得点で得点ランク2位と活躍し、今夏再び古巣のG大阪へ戻ってきた。

長年Jリーグで活躍しているパトリックだが、「日本が大好き」と公言している。16年1月には母国メディアに「日本国籍取得を検討している」と明かし、日本代表入りを目指し始めた。国籍取得には小学校2、3年生程度の日本語の読み書き能力が必要で、現在も語学習得のため1日朝晩2回、1時間ほど勉強しているという。

「平仮名、カタカナはほとんど読めますし、書けるものも増えて、日本人のみんなとも平仮名カタカナでメールしたりしますし、分からないことが出たら翻訳機能使ったりしながら打って、すごく頑張っています」

日本代表、日本サッカーへの思い 「人生を全うしたい」
この日の取材でも、日本語の質問に対して内容は理解。話す時は通訳を介すが、日本語で返す場合もあった。現在は31歳。改めて、日本代表への思いを聞くと、素直な思いを明かした。

「(代表への)気持ちは常に持っている。まだ(国籍を取得できるか)分からないけど、日本が大好き。日本でサッカー人生を全うしたいし、選手としてだけじゃなくても日本に携わっていきたい。これからもずっと日本とコミュニケーションを取っていきたい。諦めていない、常に」

森保ジャパンの“秘密兵器”として目標を掲げていると明言したパトリック。日本国籍取得に必要な「引き続き5年以上日本に住所を有すること」をクリアするなか、今の楽しみは8歳の愛息フェリペくんと一緒に日本語を勉強することだという。

「子供は日本の小学校通っていて、自分より日本語がだいぶ上手。家に帰ってから息子と一緒に勉強して教え合ったりしている。もし自分が日本代表になれなかったとしても、自分の息子にはなってもらいたい。息子は学校で漢字も覚えているので、あと5、6年したら日本人と同じくらいできているのかな? たまに僕が間違えているのを直してくれるし、『パパ、平仮名カタカナだけじゃなくて漢字も覚えないとだめだよ』と言われる(笑)。僕も彼の学校の宿題とかを見て、分かるようになってきている」

夢は親子で“日本代表”
親子で日本代表への夢を描きながら、日々勉強に励んでいる。フェリペくんはG大阪の下部組織に入り、小学2年生ながら高学年と一緒に練習しているといい、「自分の子供の頃より彼の方がサッカー大好き。すごく本当にサッカーが好きでサッカー選手になっていけるようなものも持っている」と父親自ら太鼓判を押すほど。愛息の頑張りにパトリック自身も励みになっているようだ。

「このタイミングでガンバに来られたのはすごく良かった。チームも苦しくて立ち上がるしかない状況なので、自分も携わってサポートできるタイミングだし、ガンバというのは対戦相手からリスペクトされるようなチーム。そのチームに戻さないと。毎年タイトルを懸けて戦わないといけないチームなので、やっぱりポジティブにやっていかないといけない」

古巣で原点に帰り、また明確な目標に向けて走り出したブラジル人FW。どんな未来になろうが、信じて積み上げてきたものに無駄なものはないはずだ。

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