【東アジアカップ】ハリルホジッチ体制で全試合出場中の宇佐美が、中国戦でのゴールを誓う SOCCER DIGEST Web 8月9日(日)7時0分配信
やや不機嫌そうだった1日前よりも、明らかに表情は柔らかかった。
中国戦前日の8月8日の練習後の囲み取材に応じた、宇佐美のことである。
彼は確かな手応えを得ていた。
「初戦からだいぶ(休む)時間をもらって、こないだの試合(韓国戦)も10分くらいしか出なかったのでリカバーできている。フィジカル的には確実に良くなっていっています」
7月11日からG大阪で6連戦。スルガ銀行カップの影響で22日に6節・鳥栖戦が行なわれたため、鳥栖の藤田を除く他のJ1勢より1試合多いスケジュー ルを強いられて、武漢の地に乗り込んだ。しかも東アジアカップ初戦の北朝鮮戦にも先発した宇佐美に、想像以上の疲労が溜まっていたのは間違いない。
しかし、その状態から抜け出して、心と身体、その両方の充実を感じ出していた。
「試合が続いていた時に比べれば、すごく身体的にも楽になり、筋肉のストレスもあまりなくなってきたので、(中国戦は)良い感じでやれると思います」
コンディションだけでない。実戦とトレーニングで重ねてきたコンビネーションも、「徐々に良くなってきている」。彼自身はこれまで2試合は無得点に終わっているものの、中国戦でのゴールのイメージはできている。
「ボールを奪って素早く攻めるのはもちろん、(ボールを)保持しながらの遅攻も多くなると思う。そういうなかやったら自分はどこで受けてもできると思う。どういう状況でパスを受けても、アイデアや質の部分を出せるようにしたい」
ハリルホジッチ監督が求める縦に速いサッカーを意識しながら、状況に応じて「遅攻」も交える。「外で張って仕掛けたり、中央のスペースでパスを受けてそこから味方と絡みながらシュートまで行く。そういうイメージがある」と強調する。
A代表に初めて選出されたり、久々に復帰したりした選手が多いなか、宇佐美の立ち位置は少し異なる。
彼はハリルホジッチ体制下で行なわれた全6試合で出場しているのだ。その意味では、いわば主力であり、指揮官から期待されていることも分かる。それだけに、チームのパフォーマンスに対する意識も高い。
彼が追い求めるのが、高いレベルでの調和だ。
「クオリティを持った選手の集まりだと思うので、その良さを消し合わず、しっかり連携して同じイメージを抱きながらやれるようにしたい。それができると思っている」
もちろん、攻撃を引っ張るのは自分だという自負はあるだろう。日本はここまで、1分1敗で優勝の可能性も消えた。それだけに中国戦が、今後のワールド カップ予選を見据えたうえでも、是が非でも勝たなければいけない一戦になる。そこで目下、Jリーグ得点王(23試合出場・16得点)の宇佐美に求められる のは、やはりゴールだ。
今大会はここまで無得点。加えて、親善試合以外ではゴールを奪えていない。
ハリルホジッチ体制下で、誰よりも多くの時間を過ごしてきた。その期待の星が今大会、ノーゴールで終わるわけにはいかない。