東アジア杯は「2戦で2点」 代表FW5人を釜本氏が辛口採点 日刊ゲンダイ 8月8日(土)9時26分配信

両チームとも「どっちもどっち」。東アジア杯の日本-韓国戦(5日)は見どころの少ない試合だった。

韓国は前線に屈強なFWを置き、そこにボールを入れていく。時折、サイドに展開して攻めていく。いかにも韓国的なサッカーだった。ここ数年来、個々の技術に関しては、進歩しているという印象は受けなかった。

日本の場合は、どの選手も「帯に短し、たすきに長し」。スタメンを誰にするのか、どのタイミングで交代選手を送り出すのか、ハリルホジッチ監督も、かなり苦心惨憺しているんじゃないかな。

その指揮官が「準備期間が短い。初戦(2日の北朝鮮戦)の前日しかトレーニングができなかった」と問題提起していたようだね。ボクたちの時代も、集合し て2、3日で試合というスケジュールが多かった。いつの世にも、国内リーグとの兼ね合いがあり、代表チームには、準備不足という問題がつきまとう。

しかし、あえて言わせてもらうと「レベルの問題」に行きつくと思う。

一流レベルの選手だったら、短時間で感性を共有できると思う。練習でも試合でも、「こんな動きをするだろう」「あそこに動けば良質のボールが出てくる」と選手同士が共通イメージを重ね合わせ、すぐにコンビネーションが取れるもの。

確かに今回、日本の準備期間は短かった。しかし、それを言い訳にしてはいけない。なぜタイミングが合わないのか、どうして連係ミスが起きるのか、常に選手たちは、Jリーグという日常の中でレベルアップの方策を考えながら、真剣にプレーして欲しい。

攻撃系選手について気になったポイントを。

韓国戦に先発したFW興梠(浦和)は、どうしても相手DFと比べるとサイズが小さいのは否めない。強靱なフィジカルのDFを背負いながら、機敏な動きで 反転して受けてみるとか、巧妙にDFの死角に入ってからスパッと動き出すとか、もっと「ボールの受け方」を工夫する必要があるだろう。

同じく先発したFW永井(名古屋)には「頭を使え」と声を大にして言いたい。

彼のスピードは大きな武器になる。しかし、武器の生かし方に問題がある。中盤エリアで自らスペースにボールをポンと蹴り出し、そこから相手と「よーい、 ドン!」で競争。ボールに追い付こうとするシーンが何度かあったが、相手ゴールと遠いエリアで持ち味のスピードを使ってどうするのか。相手を抜き去って シュート! という場面でこそ、武器であるスピードを最大限に使い、相手の脅威にならないと。

北朝鮮戦に先発し、韓国戦の終盤に交代出場したFW川又(名古屋)。目に付いたのが「ポストプレーでボールを収められない」シーンだ。まずはしっかりボールを落ち着かせ、味方選手とのコンビネーションでゴール前に顔を出し、フィニッシュに絡んでいって欲しい。

後半25分に永井に代わって登場した俊足FW浅野(広島)には「戦力として計算できる」と思わせるだけの可能性を感じさせられた。シュートには持ち込めなかったが、スペースを上手に利用してボールを受け、シュートに持ち込もうとして相手DFを混乱させていた。

最後にFW宇佐美(G大阪)。能力の高さは疑いようがない。しかし「絶対に結果を出さないといけない」という思いが強過ぎ、それが焦りとなってプレーがバタつくような印象を受けた。彼には「失敗を恐れることはない、肩の力を抜いて思い切りよく」の言葉を送りたい。

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