「何が通用するのかハッキリ分かった」U-20W杯を経て、中村敬斗がガンバに持ち帰るもの

掴んだ自信と届かなかったゴール。

 U-20ワールドカップで、日本のジョーカーは間違いなく中村敬斗だった。

初戦のエクアドル戦(△1-1)こそ終盤の出場でほぼ見せ場がなかったものの、続く第2戦のメキシコ戦(〇3-0)は76分から右サイドで途中出場。アグレッシブにドリブルで仕掛け、シュートも放つなど、日本の攻撃を加勢させた。

第3戦のイタリア戦(△0-0)では田川亨介の負傷に伴い、22分から途中出場。何度も単独でドリブル突破するだけでなく、斉藤光毅とのコンビネーションなど仲間との連係で組織での崩しも見せた。

決勝トーナメント1回戦の韓国戦(●0-1)では、68分から投入された。すると、70分にはクロスに合わせてヘディングで、78分にはドリブル突破からのシュートを放ったが、惜しくも相手に防がれてゴールとはならなかった。

すべて途中出場だったが、「スタメンかベンチスタートかはあまり関係ない」と言う通り、短い時間でもパフォーマンスを上げていった。このU-20ワールドカップの4試合を経て、中村は所属クラブのガンバ大阪に何を持ち帰るのか。

ひとつは自信だ。

「自分の何が通用するか、ハッキリ分かった。ドリブルだったり、形作って連係してサイドバックを上げてクロスとか。イタリア戦でもありましたけど、何回もあるのでチャンスは作れている」

ドリブル突破と味方との連係による崩しは、間違いなく世界で通用するレベルにあった。その自信でG大阪でもガンガン仕掛けていっていいいはずだ。

一方、もうひとつはゴールの難しさだ。

「フィニッシュのところはやってきたつもりだった。練習でどうこうなるものではないと思う。ハッキリ言って、120パーセントでやってきたのでシュートは。こういう舞台で決められるかは練習じゃないと思う。運だったり、メンタルだったり。すべてそういうところをひっくるめて、練習ではないと思います。簡単そうで難しいんでしょうね、ゴールというのは」

言わば、大一番での勝負強さというものだろうか。練習でどうにもならないのなら、経験を積むしかないかもしれない。

ただ、いずれにせよ、自らの武器に対する確信と、結果を残せなかった教訓、ふたつを持ち帰る中村は、大阪の地でいっそうの成長を見せてくれるはずだ。

リンク元

Share Button