【J1採点&寸評】G大阪1-1鹿島|MOMは宮本監督の抜擢に応えた若手アタッカー! 鹿島は土居の同点弾で巻き返すも勝ち切れず

G大阪――倉田は戦う姿勢で牽引し続けた

[J1リーグ14節]G大阪1-1鹿島/6月1日(土)/パナスタ

【チーム採点・寸評】
G大阪 6
前半はサイド攻撃が機能し、テンポの良いパス回しで鹿島を押し込んだ。食野のゴールで優位に試合を運びながらも一瞬の隙をつかれて失点。後半は劣勢が続き、終盤は自陣に釘付けになったが辛うじて耐え切った。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5.5
土居の際どいシュートにも反応していたが一歩及ばず。しかしチョン・スンヒョンのヘディング弾に見事に反応し、安定感もあった。キックとスローもうまく使い分け、ミスを少なくまとめた。

DF
5 三浦弦太 6
勇気を持って高いディフェンスラインを保ち続けた。高尾を高い位置に押し上げる際の連係とフォローも巧みで、右サイドは攻撃の一歩目としても機能。対人プレーでも大崩れはなかった。

19 キム・ヨングォン 6
鳥栖戦以来の先発だったが、三浦との連係もよく、最終ラインに大きな綻びは作らなかった。ミスもあったが、劣勢の後半にも福田をうまくフォローしながら、しっかりと危険地帯を潰していた。

27 高尾 瑠 6
右CBも3試合目とあって、スムーズなプレーを披露した。特に秀逸だったのは、自在のポジション取りで、流れの中で右SB的な役割も。持ち上がってパスの起点にもなり、存在感を見せた。

34 福田湧矢 5.5
鹿島相手に自らの力を試そうと前半から果敢な仕掛けを見せ、山本を押し込み続けた。ドリブルを第一選択肢にする積極性は清々しいが、やや判断が甘く効果的なプレーにつながらない場面も。

MF
8 小野瀬康介 5.5(81分OUT)
懸命にアップダウンしていたが、失点時は相手のサイドチェンジにかぶったことで後手に回った。右サイドから仕掛ける意識も高かったが、守備時にミスが散見された。無念の負傷交代だった。

10 倉田 秋 6
現在のフォーメーションを支えるキーマンのひとり。決定的なチャンスは作れなかったが、球際ではあえて激しく行くことでチームに喝を入れ、戦う姿勢で牽引し続けた。

G大阪――不振のファン・ウィジョは切り札で投入も…

MF
21 矢島慎也 5.5
アンカーだけに守備意識も高いのだが、失点時に関しては土居にしてやられた感もあり、かわされて同点シュートを許した。チームが守勢に回った後半は、ボールに絡めず、持ち味が減少した。

29 高江麗央 5.5(87分OUT)
倉田とともに圧倒的な運動量を見せるも、マイボールにした際にミスがあった。そのためか、後半はカウンターを発動させるべきタイミングで、ミスを恐れたかやや消極的なチョイスも。

FW
9 アデミウソン 5.5(76分OUT)
食野をうまくサポートしながら、エゴを出さずにチームの駒としてプレー。先制点も、より確率の高い食野へパスし、お膳立てしたが、自らのシュートはゼロ。もっと積極的に打ちたかった。

MAN OF THE MATCH
40 食野亮太郎 6.5
宮本監督の抜擢に応えた。得点場面も冷静なシュート技術が光ったが、最前線で攻守に渡ってタフに戦い、前を向く姿勢も評価に値。惜しむらくは後半の決定機を逃したことだが、輝いていた。

交代選手
FW
16 ファン・ウィジョ 5.5(76分IN)
不振が続いており、先発落ちもサプライズではなかった。勝ちきりたい後半に投入されたが決定的な
チャンスに絡めず、動きも単調。シュートゼロに終わり、不発だった。

MF
6 田中達也 -(81分IN)
小野瀬が足を痛めたことで急遽投入されたが試合に入りきれない印象を受けた。仕掛けも中途半端で運動量で活性化することもなかった。もう少しアグレッシブな動きが期待されたのだが。

MF
15 今野泰幸 -(87分IN)
高江が疲弊し、中盤の守備面の強度が落ちてきたこともあり、守備のテコ入れで起用された。短い時間で存在感を見せるには至らなかったが、大きなミスもなく、クローズする役割は果たした。

監督
宮本恒靖 5.5
不振のファン・ウィジョを先発から外し、食野を抜擢したのは正解だった。前節の課題を修正していたが、劣勢だった後半の動きが遅かった。ただ、攻撃の切り札がファンしかいなかったのは同情すべき点でもある。

鹿島――攻守に奮闘した永木を起点に同点ゴールが生まれる

【チーム採点・寸評】
鹿島 6
G大阪のサイドを有効活用する攻めに前半は手こずり、攻守両面で低調だったが土居の同点ゴールで息を吹き返した。後半は一転、相手を押し込む時間帯が続くも最後の精度とアイデアを欠いた。

【鹿島|採点・寸評】
GK
1 クォン・スンテ 5.5
大きなミスはなかった。食野のシュートはGKが防げるものではなくノーチャンス。それ以外の枠内シュートには適切に対応していた。つなぎに関してはもう少し工夫があっても良かった。

DF
16 山本脩斗 4.5(74分OUT)
福田の勢いに押され、劣勢を強いられた。あっさりと裏を取られる場面もあり、苦しい対応が続いたが後半はやや持ち直した。74分でピッチを去ったが、むしろ遅すぎたと言ってもいい。

5 チョン・スンヒョン 5.5
劣勢だった前半はばたつく場面もあったが、最後のところはしっかりと体を張っていた。前半にCKから際どいヘディングシュートも放った。後半は安定感を取り戻し、ゴール前で存在感を見せた

39 犬飼智也 5
食野のゴールにつながったのは、直前のクロス対応が中途半端だったから。局地戦を強いられると不安定なプレーが目立ち、後半も食野にあっさりかわされて決定的なシュートを放たれた。

22 安西幸輝 6
小野瀬の突破に手を焼いていたが、逆に永木のサイドチェンジを受けてから積極的な仕掛けで同点ゴールを演出した。後半は右SBにスイッチし、安部とも息のあったプレーを見せた。

MF
20 三竿健斗 5.5
劣勢だった前半は、守備を安定させることができず、やや空回り。ボールを持った際も気持ちがはやり、ミスキックが続くなど低調だった。後半はうまくバランスを保ち、持ち直した。

6 永木亮太 6.5(83分OUT)
SBの背後などをうまくケアし、幅広くピッチを駆けた。苦しい前半になんとかリズムを変えようと、攻撃の一歩目としても奮闘。結果的に永木のサイドチェンジが機に同点ゴールが生まれた。

鹿島――土居の同点ゴールはまさしく個の力で奪ったもの

MF
13 中村充孝 4.5(65分OUT)
攻撃でもまったく存在感がなかったが、守備もルーズで後方の選手に負担をかけていた。後半はボールを触る回数が増えたものの、全体的に低調で65分に交代したのもやむを得ない出来だった。

41 白崎凌兵 5.5
前半の見せ場は守備で身体を張った程度。サイドで攻守において機能性を見せていなかったが、後半はボランチにスイッチ。決定的な仕事こそなかったものの、中盤の底で徐々に力を発揮した。

FW
8 土居聖真 6.5
攻撃の形を作れなかった前半、流れを変えようと工夫しながら動いていた。同点ゴールはまさしく個の力で奪ったもので、矢島をかわした後、低い弾道でここしかないというコースに叩き込んだ。

18 セルジーニョ 5.5
孤軍奮闘気味で、いいボールが配球されなかった。しかし焦れることなく、懸命にカウンターを牽引したり、守備でも貢献。しかし、フィニッシャーとしての迫力はさほどなかった。

交代出場
MF
10 安部裕葵 5.5(65分IN)
G大阪の武器だった福田ら左サイドの攻撃を、安部の存在感で封じ込めた。ただ、相手を牽制することには成功したが、もっと積極的に仕掛けても良かったはず。決定的な仕事はできなかった。

DF
28 町田浩樹 5.5(74分IN)
左SBで起用され、守備に関しては大きな綻びを作ることなく、無難に乗り切った。安西からのクロスに果敢に飛び込み、完璧なヘディングシュートを放つもクロスバーに嫌われたのは不運だった。

MF
11 レアンドロ -(83分IN)
攻勢を強めていた時間帯に最後のカードとして送り込まれ、個でボールを運ぶなどカウンターの推進力は出した。ただ、チームとして崩すには至らず、自身もシュートは打てなかった。

監督
大岩 剛 5.5
劣勢だった前半の要因をハーフタイムに修正し、流れを引き戻した。攻守両面でテコ入れを施したが、最後勝ち切るには至らず。切るべきカードは投入したが、やや選手個人任せになった印象は否めない。

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