“G大阪の至宝”宇佐美貴史、3年ぶり2度目の復帰へ

J1で16位と低迷するG大阪が、ドイツ1部・デュッセルドルフの日本代表FW宇佐美貴史(27)の獲得を目指していることが13日、分かった。今後は保有権を持つアウクスブルクとのクラブ間交渉をスタートさせる。G大阪の下部組織から育ち、14年の3冠にはエースとして貢献した“G大阪の至宝”復帰を、低迷打破の起爆剤とする。

必然の“復帰要請”だ。11日の最下位・鳥栖戦に1―3と敗れ、7戦勝ちなしで16位に沈むG大阪が、宇佐美獲得を目指していることが判明した。今季はデュッセルドルフで19試合1得点と結果を残せず、ここ4試合連続でベンチ外となっている宇佐美。保有権を持つアウクスブルクとの契約は来季も残るが、関係者によると本人は約3年ぶりのJ復帰に前向きだという。移籍金などの交渉がまとまれば、夏の移籍市場が開く7月19日以降に2度目の復帰が実現する。

宇佐美はバイエルンなどでプレーした1度目のドイツ挑戦から、13年に当時J2に降格していたG大阪に復帰。その際は1年でのJ1復帰、さらに翌14年の3冠獲得に大きく貢献した。15年には自己最多の19ゴールを挙げ、絶対的エースとして君臨。ドイツ1部では結果を残せなかったが、Jでの実績は申し分ない。

さらに際立つのが宇佐美のクラブ愛だ。16年夏にアウクスブルクへ移籍した際にも「よぼよぼになって帰ってくるつもりはない。ピークで、チームを背負えるぐらいの選手になって帰ってきたい」と断言していた。クラブはJ2降格圏に沈んでいた昨夏にも、宇佐美にオファー。復帰は実現しなかったが、その際も本人の気持ちは復帰に大きく傾くなど、常にG大阪の動向を気にしていた。

現在、G大阪は39歳の元日本代表MF遠藤ら中心選手の高齢化が進み、世代交代は避けられない時期に来ている。クラブは宮本恒靖監督(42)の下、転換期を迎えているチームの中心に、宇佐美を据える意向だ。さらに元G大阪で、ドイツ2部・フュルトの元日本代表MF井手口陽介(22)の動向にも注目。こちらは本人が海外でのプレー続行を希望しており、復帰の可能性は高くない。しかし、宇佐美が2度目の“帰還”を果たせば、巻き返しに向けて大きな戦力となることは間違いない。

◆過去に欧州でプレーした主なJ所属選手

小野伸二(札幌)

06年にオランダ1部フェイエノールトから浦和に復帰。08年にドイツ1部ボーフムに移籍し、10~12年に清水、12年途中~14年はオーストラリア1部Wシドニーでプレー。14年途中から札幌所属。

▽大久保嘉人(磐田)

05年にC大阪からスペイン1部マジョルカへ期限付き移籍し、06年に期間満了で復帰。09年に神戸からドイツ1部ウォルフスブルクへ完全移籍し、同年に神戸復帰。川崎、F東京を経て18年途中から磐田。

中村俊輔(磐田)

10年南アW杯出場を見据え、同年にスペイン1部エスパニョールから横浜Mに復帰。17年から磐田でプレー。

内田篤人(鹿島)

ドイツ1部シャルケ、同国2部ウニオン・ベルリンでプレーし、18年に7年半ぶりとなる鹿島復帰。

◆宇佐美 貴史(うさみ・たかし)1992年5月6日、京都・長岡京市生まれ。27歳。G大阪ユース在籍中の2009年、高校2年でトップチーム昇格。11年ドイツ1部バイエルン、12年に同ホッフェンハイムに期限付き移籍。13年にG大阪復帰。16年ドイツ1部アウクスブルクに完全移籍し、17年に同2部デュッセルドルフに期限付き移籍。今季も1部昇格したデュッセルドルフでプレー。J1通算120試合45得点、J2通算18試合19得点。ドイツ1部53試合3得点、同2部28試合8得点。日本代表では27試合3得点。

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