「これだけガンバらしさが出せないとは…」 泥沼4連敗のG大阪、頭をよぎる降格の悪夢

川崎に敵地で0-2完敗、クルピ新体制で今季開幕から公式戦4連敗

 ゴール裏から唸るようなブーイングが鳴り響いた。今季の公式戦3連敗中のガンバ大阪は10日、敵地・等々力陸上競技場で昨季のJ1王者である川崎フロンターレと対戦。今季初勝利を目指して攻撃的に出ようとしたが、攻守ともに良いところなく0-2で敗戦を喫した。これで連敗は「4」へと伸び、試合後にサポーターから厳しい声が飛んでいた。

立ち上がりから、どこかチグハグだった。欲しかった先制点を前半8分にセットプレーから奪われると、その後は川崎の攻撃を正面から受ける展開に。時折ボールを保持しても明確な攻撃の形は見られず、選手間でのコンビネーションも数えるほど。FWアデミウソンやMF中村敬斗など個で打開できる選手たちも特長を発揮することができなかった。

結果、守備に回る時間が長くなり、攻守に巧みな川崎のサッカーに圧倒されて難しい試合展開を強いられてしまった。

試合後、今季就任したばかりのレヴィー・クルピ監督は、敗戦に対して「開幕以降これだけガンバらしさの出せない試合が続くとは想像していなかった。その責任というのはすべて私にある」と言及。なかなかチームのパフォーマンスが上向かない現状に「選手を見極めるために選手の入れ替えをしているが、そこで上手くいっていない部分がある」と語り、指揮官として苦闘していることを明かしている。

「ボールを回していても自信がないように…」

 そんななか公式戦4連敗というチームの苦しい現状に目を向けたのは、この日も守護神としてゴールを守った日本代表GK東口順昭だ。「苦しいですね……」という言葉とともに重い口をゆっくりと開いた。

「守れていないし、得点も取れていない。ボールを回していても自信がないように回しているし、たぶん生き生きしてないというのが選手一人ひとりにあると思う。やってやるぞという気持ちが、今のチームの雰囲気に呑まれてしまうというのがあるのかなと思います」

ここまで勝利を勝ち取ることができない状況は、誰も予想できなかったことだろう。しかし、現実として起きているのは確かで、この現状を少しずつ変えていかない限り、J2降格という2012年の悪夢が繰り返される可能性はある。

この状況を打破する術として、東口は「一人ひとりの意識の変化」を挙げた。周りがどうにかしてくれる、時間が解決してくれる、という考えではなく、まずは一人ひとりが変わっていく必要があると主張している。

「流れというのは簡単なスイッチで変わる」

「本当に強い気持ちを持ってというか、一人ひとりが自分を変えていくという強い気持ちがないと、この状況はなかなか変わらないと思う」

“自分を変えること”は簡単なことではない。だが、変わっていかなければ前に進むこともできない。

「流れというのは簡単なスイッチで変わる」(東口)

そのスイッチが勝利なのか、一つのゴールなのかは定かではない。だが、いち早くそのきっかけをつかまなければならないだろう。新生G大阪としてスタートを切るために――今は一人ひとりが目の前の壁を乗り越えていくしかない。

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