クルピ・ガンバに他クラブからも「大丈夫?」の声… 主力組3戦連続ドローで指揮官も不満気味

「シュート、クロスの数が足りていない」とクルピ監督。

 ガンバ大阪は11日、沖縄2次キャンプの総仕上げとして浦和レッズと練習試合(45分×4本)を行なった。3-2の勝利を収めたが、主力組が出場した90分間は1-1。沖縄での練習試合は3試合連続ドローに終わった。そして結果以上に寂しいのは内容。今季から就任したレヴィー・クルピ監督のキャンプ総括も厳しい言葉が並んだ。

「どの試合にも良いところ、悪いところはある。でも試合の中で“数字”として残っているものがあまりにも少ない。シュート、クロスの数が足りていない」

1月20日のチーム始動から3週間。『超攻撃』のスタイルを取り戻すべくスタートさせたが、トップチームは3試合で1得点しか挙げていない(京都戦、東京V戦ともに0-0)。自分たちがボールを保持する時間帯を伸ばそうと狙っているが、守備に追われる時間の方が長くなっている。浦和戦ではサブ組で調子の良かったDF米倉恒貴、17歳のFW中村敬斗、FWファン・ウィジョを主力組に抜擢。だがファン・ウィジョの先制点もMF矢島慎也の浮き球のパスに抜け出しての得点で、複数の選手が連動して崩した形ではなかった。東京ヴェルディ戦もシュートチャンスは2度。この日も2回だけ。2試合連続でMF今野泰幸が欠場したというエクスキューズはあるものの、なかなか相手ゴールを脅かすまで辿り着けていない。
クルピ監督のサッカーは選手個々の発想力を活かすのが特徴だ。「サッカーで同じ局面は2度と起こらない」という信念を持ち、沖縄キャンプ中のミーティングも数えるほど。守備での決まり事がいくつかあるだけで、それゆえに攻撃に移った際は、特に3ボランチが味方を探しているシーンが目立った。チームとしての明確な形はほとんど見えず、視察に訪れた他クラブの関係者からは「ガンバさん、大丈夫?」という声も漏れ聞こえてきた。

ただ指揮官は、こうも続けた。
「まだ戦術的なことは言っていない。要求するものが浸透するのは時間がかかるし、今は選手の見極めをしている段階だ」

リスクを冒すタイミングの見極めや個々の意思の擦り合わせは、一長一短には構築できない。選手個々の能力を把握することに重きを置き、本格的な戦術の落とし込みは大阪に戻ってからになりそうだ。リーグ開幕までの2週間。果たしてクルピ監督はどうチームを作り上げるのか、注目が集まる。

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