【独占告白#2】宇佐美貴史が語る海外挑戦 「サッカー人生で初めて不安を感じている」
MF宇佐美貴史は二度目のドイツ挑戦真っ只中にいる。
2011年夏、J1ガンバ大阪からドイツの名門バイエルン・ミュンヘンへ期限付き移籍し、12年5月からホッフェンハイムでプレー。13年夏に古巣G大阪へ舞い戻ったが、16年夏にアウクスブルクへ加入し、ドイツでの再挑戦が始まった。
そして17年8月、ブンデスリーガ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフへの期限付き移籍を決断。今も新天地で奮闘を続けている。
全5回にわたってお届けする「独占告白」の第2回目は、宇佐美が再び海外でチャレンジする道を選んだ理由、そしてデュッセルドルフ移籍を決断した理由について明かす。果たして、彼はドイツでどんな成長を求めたのだろうか。
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焦りたい気持ちがあるのは、ロシア・ワールドカップが開催されるのも理由の一つではある。そこを見据えて、公式戦のピッチに立つ自分を意識して決断したデュッセルドルフへの期限付き移籍でもあったしね。
というのも、公式戦でしか得られない体力、走りきれる自信や感覚があるから。もちろんアウクスブルクでの昨シーズンにおいて、試合に出られないながらも自分なりに試行錯誤を繰り返し、いろんなチャレンジを課して成長を求めてきたことが無駄だったとは思わない。
「海外に来たことには微塵も後悔はない」
けど所詮、練習での成長は公式戦を戦うための積み重ねでしかないし、公式戦に出場することで得られる成長とは、速度も振り幅も大きく違う。そのことを身をもって感じているからこそ、焦りも生まれるし、サッカー人生で初めてと言ってもいいくらいの不安を感じているんだと思う。
とはいえ、海外に来たことには微塵も後悔はない。なぜなら一度目の海外移籍もしかり、Jリーグを離れたことで、世界が自分の想像以上に高いレベルで戦っていること、そこでプレーする選手は想像をはるかに超えて高い質を備えていると実感できたから。
実際、海外では活躍できなかったのに、Jリーグでは活躍している外国籍選手がたくさんいるのもその証拠。それを知ってもなお、自分はそのままJリーグでプレーすることを選ぶのか、海外に出て明らかに違うクオリティーを感じながらプレーすることを選ぶのかを考えた時に、僕は後者を選びたい……というか、選べるチャンスがあるのなら、それが自分に必要な経験だと思えた。
これは何も、日本や他国のサッカーを否定しているわけではないよ。実際に日本で成長を求められる選手もいると考えれば、その選択肢も成長を求める方法の一つだとは思うしね。
「Jリーグとは比較にならないくらい…」
ただ、繰り返しになるけど、海外で1年間しっかり試合に絡んで、結果を出して……というなかで求められる成長と、国内で求められるそれとは、明らかに速度も振り幅も大きく違うと僕は思う。
そこから先の未来における選択肢も、Jリーグとは比較にならないくらい広がりを持てるしね。
そう考えるからこそ……とにかく今はここでコンスタントに試合に出たい。コンスタントに戦ってどういう結果を出せるのかを知りたい。今はそこだけを求めている。