【J1採点&寸評】G大阪×鳥栖|G大阪Jrユース出身の高卒ルーキー鎌田が同点弾――。長谷川監督の采配が裏目に出たG大阪は3試合続けてリードを守れず SOCCER DIGEST Web 7月23日(木)0時38分配信
【試合内容】
両チームとも中2日の過密日程で迎えたなか、序盤はホームチームが主導権を掌握。すると39分、倉田が獲得したPKを遠藤が冷静に決めて幸先良くG大阪 が先制する。しかし後半、鳥栖のロングスローを警戒し、ボールから目を離してポジションを取る場面があり、71分にサイドで短くつながれて、クロスを鎌田 に決められて引き分けに終わった。
鳥栖戦で引き分けたG大阪は、これで3試合続けて先制ゴールを勝利につなげられず、3戦勝利なし(2分1敗)。一方の鳥栖は、豊田と林を怪我で欠いて新 システムを採用し、26分に池田が途中交代するアクシデントもあったが、組織が一定の安定感を保って敵地で勝点1を拾った。
【チーム採点・寸評】
G大阪 5
攻守でアグレッシブなプレーを見せて先制するも、なかなか2点目を奪えず。チャンス自体は作れていただけに、後半に迎えた決定機をパトリック、宇佐美が決めていれば流れは違った。一瞬の隙で手痛い代償を払う羽目になった。
鳥栖 5.5
エースの豊田と正GKの林が負傷のため欠場したなか、窮余の策として新システム「3-4-2-1」に挑戦。全員がハードワークを続け、G大阪の攻撃を1点に抑えた結果、途中出場の鎌田が大仕事をやってのけた。
【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
キックミスから大きなピンチを招くミスがあった。自分で止めて落とし前はつけたが、パフォーマンスはやや不安定。
DF
22 オ・ジェソク 5
守備は無難にこなしたが、攻撃面で十分にアクセントをつけられず、仕掛けの局面で詰まる場面も見られた。
5 丹羽大輝 5.5
危険になりそうな場面でしっかりと身体を張り、敵の攻撃を分断。しかし失点シーンでは統率が乱れた形で悔いが残る。
6 金 正也 5.5
岩下に代わりスタメン出場。高さや対人で随所に強さを発揮するも、後手を踏む対応もあり、出色の出来とは言い難かった。
14 米倉恒貴 5.5
後半、パトリックに完璧なクロスを供給するなど、右サイドを積極的に上下動。守備で崩される場面もあったが、攻撃では変化を加えた。
MF
7 遠藤保仁 5.5
落ち着いたボール捌きでチームに落ち着きを与え、PKの冷静さもいつもどおり。ただ主導権を掌握できず、テンポアップを狙った指揮官の意向で途中交代。
11 倉田 秋 6
果敢な仕掛けでPKを獲得。後半途中からボランチに入り、ゲームを作るなど攻守で大きな役割を果たした。
13 阿部浩之 5
アグレッシブな守備や積極的にゴール前に侵入する姿勢は評価。ただ失点シーンでは、敵の動きに付いていけず、フリーでクロスを上げられた。
17 明神智和 5.5
久々の先発ながら、中盤の危ないスペースを的確に埋めた。攻撃面での貢献度は低いが、守備の仕事はベテランらしく安定していた。
FW
29 パトリック 5.5
パワフルな突破やボールキープで前線の起点に。後半の決定機を決めていれば、この日のMOMになっていた可能性も……。
39 宇佐美貴史 5
ボールを持てばチャンスに絡むが、試合から消える時間があまりに長い。得意のミドルもポストを叩いて結果を残せなかった。
交代出場
MF
15 今野泰幸 5
中盤に躍動感を与えるという狙いで、遠藤に代わって投入された。守備の随所に好プレーが光るも、攻撃までは手が回らず。
FW
9 リンス 5
仕掛けの意識は高かったが、密集地帯にドリブルで突っ込むなど、やや強引すぎる印象が目立った。
DF
4 藤春廣輝 5
攻撃の活性化を期待されて投入されるも、持ち前のスピードを活かす場面がほとんと訪れなかった。
監督
長谷川健太 4.5
3試合続けて主力を代えた後に追いつかれたのは、やはり指揮官の責任。プレーの内容は決して悪くないが、采配が裏目に出たのは大きな原点材料だ。
【鳥栖|採点・寸評】
GK
1 赤星 拓 6
巨漢・パトリックの迫力に恐れず、果敢に前に出てピンチを防ぐなど積極的なプレーでゴールを死守。
DF
23 吉田 豊 5
最後まで粘り強く走り切ったが、宇佐美や倉田の仕掛けに手を焼き後手に回る場面が多かった。
36 菊地直哉 5
PKを献上したファウルで大きく減点。ただそれ以降は、ゴール前の危ない場所に常に陣取り、チームを鼓舞しながら身体を張った。
29 谷口博之 5.5
パトリックとの肉弾戦に苦戦し、危ない場面も作られた。それでも最後まで集中は切らさず。
10 キム・ミヌ 6
攻撃で持ち味のスピードやキレを活かす場面は少なかったが、一瞬の隙を突いて1アシスト。
MF
8 水沼宏太 6
豊富な運動量で相手の陣形をかき回し、常に裏のスペースを狙った。前半に訪れた決定機は決めたかったところ。
6 岡本知剛 5.5
ミスが少なく、中盤で藤田と連動しながらバランスを取った。守備でもバイタルエリアを的確にケアし、守備陣を助けた。
14 藤田直之 6.5
セットプレ-や両足から繰り出すパスで脅威に。ロングスローで相手を惑わし、同点弾の際には短いスローインで守備網の穴を突き、ゴールを演出。
25 早坂良太 5.5
前半は攻撃面で効果的に絡めず。後半は慣れないFWの位置に回るも、ここでもさほど存在感を発揮できなかった。
FW
22 池田 圭 5
持ち味の運動量を発揮する前に、接触による負傷で前半早々に途中交代を余儀なくされた。
交代出場
MF
24 鎌田大地 6.5
創造性に溢れるプレーを再三見せたが、崩し切るまでには至らず。それでもゴール前に飛び込んで足を伸ばし同点ゴールと、泥臭く仕事を果たした。
MF
28 高橋義希 5.5
疲労の見えてきた中盤に入り、チーム全体に活力を与えたが、攻撃面でもう少し積極性を求めたいところ。
DF
16 チェ・ソングン -
本職ではない中盤に入り、多少の困惑も見られたが、全力の守備でチームのコンセプトを体現した。
監督
森下仁志 6.5
エースの豊田、正GKの林が不在という状況も、急造の3-4-2-1を採用。準備期間が短いなかで選手に意図を伝えて、一定の機能性を保った点は評価に値する。