【第2ステージ展望】G大阪編|史上初の「7冠」に向けて、“暫定得点王”の宇佐美がチームを牽引する SOCCER DIGEST Web 7月5日(日)11時0分配信

【第1S総括】「内容が悪いながらも勝ち切る」を支えた守備の安定感。

 J1第1ステージは浦和の無敗優勝で幕を閉じたが、前半戦の17試合を全18チームはいかに戦ったのか?

『サッカーダイジェスト』の各チーム担当記者が、6月27日で最終節を迎えた第1ステージを振り返り総括するとともに、第2ステージに向けた各チームの動きと見どころを解説する。

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ガンバ大阪
第1S成績:4位 勝点:32 9勝5分3敗 24得点・13失点

ポイント1)第1ステージの出来を点数で表わすと?

80点

最終的に4位で終えたものの、浦和と最後まで優勝争いを演じるなど、リーグ戦を盛り上げる一助になった。真っ先に評価したいのは守備陣の踏ん張りだ。 13失点はリーグ最少で、ひやりとする場面を作られても粘り強く対応。得点数はリーグ6位タイと突出した数字ではなかったが、守備の安定感が支えとなって いた。

ただ、第1ステージを総括すれば「内容が悪いながらも勝ち切る」というゲームが多く、三冠王者としての力を誇示するには至らなかった。相手も“G大阪対 策”を講じるため仕方ない部分もあるとはいえ、2トップへの依存傾向が強まっており、崩しとフィニッシュの局面においては課題が残る。

ポイント2)第1ステージのチームMVPは?

宇佐美貴史

守備陣の奮闘も光るが、それ以上に貢献度の高かったのが宇佐美だ。代表にもコンスタントに招集されて注目度が急上昇するなか、相手の厳しいマークを掻い 潜りながら13ゴールを叩き出した。得点ランクトップに立っており、“エースとしての役割”は十二分にこなしたと言える。

もっとも、第1ステージ終盤はややガス欠気味で、それまでに比べると走行距離やスプリント回数は減少。代表活動も重なった影響だが、宇佐美の運動量が落ちた途端にチームの攻撃力も削がれており、結果的に宇佐美への依存度を露呈する形となったのは否めない。

ポイント3)第2ステージでの巻き返しや台頭が期待される選手は?

阿部浩之、倉田 秋、大森晃太郎

昨季、三冠獲得の原動力となったのは、前線でも最終ラインでもなく2列目だった。阿部、倉田、大森の3人を軸に回しており、攻守の切り替えや守備の献身性は目を見張るものがある。その半面、第2ステージで期待したいのは得点力の向上だ。

昨季はこの3人で18ゴールながら、今季は阿部の1ゴールのみ。守備のバランスを取りながら、どれだけリスクを負って攻撃に出られるか。個の意識で改善できる部分もあるが、戦術にも大きく関わる点だけに、チーム全体としての見直しが必要になる。

【第2S展望】「バランスサッカー」は変わらず。ただ、2列目はテコ入れの可能性も。

ポイント4)第2ステージの目標と達成への青写真は?

ステージ優勝、ACL優勝、ナビスコカップ優勝、スルガ銀行チャンピオンシップ優勝など

G大阪は今季開幕前のスーパーカップを制しており、獲得可能なタイトルは他に6つ――リーグ戦、ナビスコカップ、ACL、天皇杯、スルガ銀行チャンピオンシップ、クラブ・ワールドカップ。当然、最大の目標は全タイトルの「7冠獲得」だ。

第2ステージも戦い方は大きく変わらない。堅実な守備と素早い攻守の切り替えを土台とし、速攻と遅攻を上手く織り交ぜた「バランスサッカー」を展開する だろう。ただ、第1ステージ終盤に長谷川監督は「2列目をマイナーチェンジしたい」とコメントしており、攻撃面でやや精彩を欠く中盤に関しては多少のテコ 入れもありそうだ。

ポイント5)第2ステージに向けた補強ポイントと新戦力獲得の動きは?

パトリックに移籍話が浮上している一方、長崎に在籍する韓国代表FWのイ・ヨンジェに触手を伸ばしている。現状では、それ以外に目立った補強の動きは見 られない。もともと現有戦力でもリーグ屈指の質を誇り、強化部がそれほど補強の緊急性を感じていないのは、開幕前の補強を最小限に止めた事実からも分か る。

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